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「教えてしまう」ことと「考えさせる」ことの境界線

先日、筑波大学の先輩である江崎さんが赴任している愛知県千種高校の選手達に対してトレーニングをさせてもらった。 ここ数年、江崎さんに声をかけて頂いて指導の場を提供してもらっている。私にとっても普段毎日顔を向き合っている選手達の指導とは異なる刺激を受ける貴重な場。江崎監督のニーズを聞き、選手達の動きを見て、初めて向き合う選手と既に一緒にトレーニングしてきた選手達が入り交じった中でメッセージを伝えていく。こういった状況で自分がどんなアクションを起こせるのかということが私自身のトレーニング。

その時間が終わった後、何人かの選手達が個別に質問を投げかけてきた。自分はそれに対して丁寧に応えようと試みていた途中、江崎さんから呼び戻された。「彼らは自分で解決しなければならないことも、その試行錯誤をしないで答えを求めてくる。そんな状況の時は考えさせるような投げかけをしている。」と言われてハッとした。

我々の置かれている現状で結果に直結できるような状況を求めていると、「どうしたら結果に繋がるか」というところからの逆算で選手達に接してしまうところがある。それで出来るようになれば良いが、選手の成長という面では考えさせるプロセスを奪ってしまっている。プロの現場で結果を求められる状況と、育成現場での指導のプライオリティのギャップに目を覚まさせらる。

育成年代で何をどのように取り組んでいくべきか。その課題をどれだけ具体的に取り組んでいけるのか。技術、戦術、フィジカル、メンタル等々の課題を年代的に与えられた、限られた時間の中で、どのようにデザインしていくのか。今回のワールドカップを経て、世界で戦っていくために日本に送られてきた強いメッセージだと感じています。

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